今年も秋の収穫を存分に楽しみました。
まずは、春に植えたサツマイモの収穫。
暑い日も頑張って水をあげ、夏休み明けの草ぼうぼうの
畑も一生懸命雑草を取り、手入れしました。
草取りに夢中になるあまり、雑草と間違えて苗も抜いてし
まったというハプニングもありましたが、すべては学習に
つながります。
「畑はきれいになってすっきりしたけど、何か変だね…」
「苗はどこにいっちゃったんだろうね…?」
苗を植えて、お世話をして、10月下旬にいよいよ収穫です。
「あ、サツマイモがでてきたよ!」
「おいもがぬけたよ!」
「わたしたちも頑張って掘ろう!」
「やったー!でっかいのがとれたよ!」
たくさん収穫できたので、みんなで数をかぞえました!
収穫したサツマイモの観察画も描きました。
じっくり見てみると、新たな発見がたくさんありました。
葉の形や色、葉脈や、芋の付き方など、いろんなことがわ
かりました。
数日後、みんなで収穫した芋を焼き芋にしていただきまし
た。焼きたてでほっかほか。おいしいよ〜!
みんなで食べると楽しいね!
たくさん収穫できたクラスは、焼き芋以外にも、クラスで
子どもたちと芋を調理していただきました。
収穫が少なかったクラスは、OGさんが園に届けてくれた芋
を分けてもらい、焼き芋にしておいしくいただきました。
ありがとうございました。
〜園庭にある実のなる木〜
当園にはたくさんの実のなる木があります。
春から夏にかけてはグミやすもも、ジューンベリーやくわ
の実などを味わいました。
秋は、柿の実やイチジク、キウイやむべ、ザクロやあけび
など、これまた様々な実があちらこちらで見られます。
これらの実は子どもたちにとって格好の教材となります。
今年も、自然環境を通してたくさんの学習できました。
エピソードもたくさんありますが、今回は、柿の実を通し
ての子どもたちの活動を中心にご紹介します。
まずは、いちじくの実。
今年も豊作だったので、生で食べたり、砂糖と一緒に煮込
んだり、ジャムを作ったりして味わいました。
「はやくおいしくな〜れ!」
作り終わって、ちょっと味見♪
秋ももう終わりが近づいた頃…むべの実を発見!
早速収穫!
キウイの実もあちらこちらになっていました。
まだちょっとかたいなぁ…
こちらはキウイチーム。
キウイを食べたくて、観察したり、記録したり、実を甘く
する方法を考えたり…
この日は試食会。
もう食べ頃になったかな?
中身は何色か想像して、一人一人予測を立ててから切って
みたら、「わっ!黄緑だ!」
今年もカリンの実は豊作。クラスでカリンジャムを作って
みんなでいただいたり、カリンシロップを作ったりして味
わいました。カリンは香りもとてもよく、のどの薬にもな
るのです。
「このカリンは家に持って帰るの!」
「お家でカリンシロップを作ってみようかな〜♪」
こちらは9月頃の柿の木。
まだ実が色付いていません。
でも、「柿の実がほしいな〜」と、子どもたちは園長に相談。
「柿の実はオレンジ色にならないと食べられないから…」
「毎日観察してちゃんと続けられたら柿の実をあげるよ。
それから、柿の実が誰かにとられてなくならないように
守れるならあげられるよ。」と言われ、「やる!」と、やる
気満々の子どもたち。
柿の色や形、気付いたことをノートに記録するようになりま
した。
柿の観察記録を付ける子どもたち。
気付いたことや感じたことをメモしたり、絵を描いたり。
わからない字は大人に教えてもらいながら一生懸命記録を
付けていました。(年中)
今年も柿の実は大豊作。
最初は、大きい渋柿の木を選び観察していた年中児。
何も知らずに、色が変わったら食べられると思い、一生懸命
に守っていました。
いたずらやおままごとの材料として取られないように、看板
を作って付けることにしました。
木が大きいので、たくさん看板を作りました。
さて、渋柿が食べ頃になり、期待してちょぴっと味見をして
みました。
「…なんか口の中が変!」
「口の中がシュワシュワする〜!」
「色がオレンジ色に変わったのに、食べてもおいしくない!」
「なんで!?」
「実はね…、みんなが守っていた大きい木の柿は“渋柿”と言っ
てそのまま食べてもおいしくないんだ…」
でも、工夫すると甘くておいしくなるという話を伝えると、
様々なおもしろいことを考え付いた子どもたち。
砂糖につけたり、蜂蜜につけたり、シロップにつけたり、カル
ピスつけたりと、思いついたことを次々と言葉にし、試してみ
たいと目を輝かせる子どもたち。
クラスで様々な実験をしたり、焼酎で渋抜きをしたりしていた
だきました。
今から渋抜きを始めます!
まず、渋柿をきれいに洗いま〜す。
おいしそうに見えるけど、渋いよ!
焼酎で渋抜きをしました。
(柿のへたの部分に焼酎を付け、密封して2週間位おけば
出来上がり!)
渋抜きをしておいしくいただきました♪
渋柿は本当に豊作だったので、持ち帰りたい人は持ち帰り、
(ただし持ち帰る条件として、ちゃんと渋柿を甘くする方法
を考えたり、人に聞いたりして調べることができる人)
お家の方と焼酎で渋抜きをしたり、干し柿にしたりして味わ
ったりしたようです。
(保護者の皆様、お忙しい中ご協力ありがとうございました。)
年中の女の子が家で渋柿の渋抜き方法について調べたことを
記録して持ってきてくれました。
おばあちゃんに、渋の抜き方を教えてもらい、干し柿にして
おいしくいただいた様子が伝わってきました。
他にもたくさん、渋柿をおいしくする方法を試して、成功し
て、おいしく食べたよ!という報告を子ども達からもらいま
した。
さてさて、無事渋柿を守り通し、味わうことができた柿
チームは、次に甘柿への活動へと移っていきました。
なにやらみんなで集まって相談。
甘柿も無事守れ、そろそろ食べ頃になってきました。
ツヤツヤでおいしそうなやまびこの甘柿!!
ちょっと試食タイム。
おいしねぇ〜♪
9月から柿の活動を始め、3ヶ月がたち、いよいよ収穫の時期
が近づいてきました。
収穫の前に、いくつ甘柿があるか数えてみようといういこと
になり、みんなで集まっては数を数えてみるのですが、木に
なっている実を数えるのは至難の業で、数えているうちにど
れを数えたか分からなくなったり、数が飛んでしまったり…
色々なハプニングや課題に直面しました。
その都度、話し合い、それぞれが考えたことを試してみるの
ですが…
思ったように成功にたどり着けず、何日も何日も過ぎていき
ました。
それでも途中で投げ出さないで、「今日も柿チームやろう!」
と職員室を訪ねてくる子ども達。
そして…、最後の最後にたどり着いた柿を数える方法とは…
なんと、甘柿一つ一つに、1から番号を書いた紙を貼り付け
ていくという方法。
高いところは、台に上がったり、大人の力も少し借りて、全
ての柿に番号札を貼り付けました。
もうちょっとで届きそう…。
だいぶ貼り終わったね!
なんでこんなにいろんなものが付いているかというと…
番号札を貼るという案にたどり着くまで、葉っぱや小枝を貼
って数えようとしたり、ひもを付けて数えようとしたり、色
々と試してみた痕跡が残っていました。
自分たちは大まじめで色々な工夫をして取り組んでいました
が、やってみたらなんだか変で、これは違うな…と、自分で
気付いていった子ども達でした。
答えにたどり着くまでが学習で、行きつ戻りつ、子ども達と
の生活は本当に楽しいものでした。
『失敗は成功のもと!』という実感を時間をかけて楽しみな
がら、じっくりと取り組み、獲得していった子ども達です。
あと少しだね♪
さあ、番号札は何枚貼ったかな?
全部で55個甘柿がありました!!
やったー!
やっと終わったね!!
甘柿の数え方終了!
途中でバスの時間が来て帰ってしまったメンバーもいました
が、とりあえず、記念撮影!
後日、柿チームで収穫した柿を分けて持ち帰りました。
みんなで平等に分けるにはどうすればよいか、分け方も子ど
もたちが相談しながら考えて決めました。
職員にもお裾分けをくれた子どもたち。
でも、数が多くないので、大人は二人で1つの柿を分けて食
べてね。ということで、職員室で柿を切っていただきました。
お店で売っている柿に負けないくらいおいしい柿でした。
最後にみんなで記念撮影。
2か月以上柿チームを継続して活動に取り組み、様々なこと
を学習しました。
本当に最後までがんばったね!!
子どもたちからのメッセージも裏に添えてありました。
後日柿の木を見ると、二つばかり実が残っていました。
実は、これは「残し柿」といって、木になっている柿
を全部取らないで、1個か数個残しておくことをいう
そうです。(地方によっては「木守り」という呼び方
をすることもあるようです)
鳥や小動物たちへの配慮から生まれた日本の古い習慣だ
そうです。(昔は飢えた旅人のためという含みもあった
ようです)
来年もよく実りますように…という祈りや木への感謝の
意味も込めて残しておく、このような美しい日本の風習
を子どもたちの世代にも伝えて行きたいと思いました。
人や自然に対するこのような感性をいつまでもつないで
いきたいですね…。